風野真知雄さんの『妻は、くノ一』 (全10冊合本版 (角川文庫)) を購入し、読んでみました。

彦馬のもとに嫁いできた織江が実はくノ一で、1ヶ月で失踪します。彦馬は織江を追って江戸に行きますが、そこで様々な事件を解決します。物語は、『甲子夜話』を題材にした小さな事件の謎解きと、会えそうで会えない彦馬と織江の関係という2つの話が並行する形で進みます。最終巻では、織江と追手との戦いが中心となり、感動の結末となります。

時代小説ですが、難しいところはなく、文章が平易なため、すらすら読めます。そのあたりは、赤川次郎さんの「鼠」シリーズに通じるものがあります。


惜しむらくは、謎解きの部分で「なぜその状況からそう推理できるのか」の説得力が弱いように感じたところでしょうか。また、最終巻のエピローグは蛇足だったように思います。

いずれにしても、江戸の暮らしぶりを含め、時代小説を平易な文章で読むにはお勧めの本です。1冊のページ数が多くないわりに10巻まであるので、合本版がお勧めです。

妻は、くノ一 (全10冊合本版 (角川文庫)

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